お母さんの腕の中で。マルちゃんが見せてくれた奇跡。
2022 / 02 / 06 ( Sun ) みなさん、おはこんにちばんわんこ。
老犬ホーム・ペットホテルゆるやかです。 昨年末、老犬ホームでお預かりしていたマルちゃんが虹の橋を渡りました。 家族思いの素晴らしい子でした。 小さなマルちゃんがとても大きな奇跡を見せてくれましたのでシェアします。 入所から2ヶ月。マルちゃんはとても頑張っていました。 良く歩きましたし、良く食べました。 ![]() とはいえ、高齢犬ですから、日に日に足腰の筋肉は弱っていきます。 我々も、マッサージをしたり歩行訓練をしたりして、なんとか歩ける状態をキープしようと努力しましたが、 最後はほとんど寝たきりになっていました。 ![]() そんな中でも、マルちゃんにはひとつの楽しみがありました。 それは、「家族の愛情」でした。 毎週末、ご家族がマルちゃんを抱きしめに来てくれるのです。 様々な事由(職場環境の変化・ご自身の病気・入院など)で、老犬介護を続けられないものの、 我が子への愛は一生のものです。 マルちゃんは週末をとても楽しみに待っていました。 ご家族が見えると解けるような良い顔をしました。 我々に見せる表情とはやはり違います。 硬くなって動きづらくなった体から、喜びが染み出していました。 16年間愛情を注いでくれた家族。やはり時間と共に育まれた絆は強力です。 ![]() マルちゃんは寝たきりになってからも、食欲が素晴らしく内臓も丈夫でした。 毎日のうんちもとっても健康的で立派でした。 体調に著しく悪いところもなく、これだったら冬は越せるかなーと我々は考えていました。 しかしながら、昨年末、 マルちゃんは静かに亡くなりました。 朝、食欲はありませんでした。 昨日まではご飯をよく食べていましたし、 うんちも立派だったのに、急に弱ったようでした。 その日も、ご家族が面会に来ていました。 「マルちゃん、今朝からご飯受け付けないですね。老犬の子は急に弱ることがあるんです」 そんな話を聞きながら、ご家族とマルちゃんは面会をしていました。 マルちゃんはお母さんに抱かれて、いつものように嬉しそうでした。 安心したようにまどろみながらニコニコしていました。 そのときです。 マルちゃんが、ツーっと一筋涙を流したのです。 「マル、泣いてるの?」 マルちゃんはお母さんが会いに来てくれたのが嬉しくて泣いているようでした。 「良かったねマルちゃん。お母さんにいっぱい抱っこしてもらおうね」 それから、マルちゃんはしばらくお母さんと二人でいました。 お母さんはマルちゃんにたくさん話しかけていました。 マルちゃんが大好きな優しい声でした。 ごめんね、とか、ありがとう、とか、頑張ろうね、とか。 そんな言葉がやりとりされているようでした。 老犬ホームに愛犬を預けるご家族は、少なからず罪悪感を抱えているものです。 のっぴきならない事情があるにしても、例え一時的であっても、 我が子を手放すのは断腸の思いがするのです。 少し経って、穏やかだったお母さんの声色が変わりました。 大変なことが起こったのだと我々もすぐに察知しました。 「マル!マル!マル!」 マルちゃんはお母さんの腕の中で眠るように亡くなっていたのです。 小さな鳴き声さえあげることなく、 とても静かに、誰にも邪魔されない、 一番大好きな場所を選んで、 マルちゃんは命を全うしていたのでした。 これがマルちゃんが見せてくれた奇跡です。 もしかしたら動物は旅立つ時間を選べるのかもしれません。 それは荒唐無稽なことではないのかも。 最後の挨拶をした後、大好きな人の腕の中で眠る。 こんなに素敵な最期は見たことがありません。 ![]() |
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