風太ちゃん
2019 / 12 / 21 ( Sat )
みなさん、おはこんにちばんわんこ。

老犬ホーム・ペットホテルゆるやか専務のハッピー(2歳)だっピ。


今僕はとても悲しい心でいるっピ。

湿った雪みたいに悲しい心だっピ。


風太ちゃんの話。


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風太ちゃんがゆるやかに来たのは10月の頭頃だったっピ。

風太ちゃんは優しくて、穏やかで、すぐにお店の人気者になったっピ。

誰からも好かれて、よく懐いて、腹が立っても吠えたりせず、

いつも静かに笑っている。

お客さんからもスタッフからも愛される子。最高な子だっピ。


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でも、問題があったっピ。

風ちゃんの完璧さは僕にとっては大問題だったっピ。

なぜなら、風ちゃんの人気が出すぎて、僕の立場が無くなってしまうからだっピ。

立つ瀬がないってやつだっピ。

そんな僕の心配をよそに、風ちゃんの人気は高まるばかり。

そうしていつしか、風ちゃんの人気はぼくの人気をあっという間に超えてしまったっピ。

ぼくも曲がりなりにも専務として、ゆるやかの看板犬として、

今までどれだけ頑張って来たか。

そんな僕を風太ちゃんは一も二もなく追い抜き、ゆるやかの堂々たる看板犬になってしまったっピ。

通りすがる誰もが目尻を下げて風太ちゃんを撫でていったっピ。

風太ちゃんも嬉しそうにしていたっピ。

僕には出来ないことが風太ちゃんには出来たんだっピ。

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僕は柴犬。馴れ合いは嫌いだっピ。

気に入らないことがあれば唸るし、吠えるっピ。

気に入らない人に頭を撫でられるのも嫌いだっピ。

鋭い歯を見せて威嚇することもあるっピ。

でも、風太ちゃんは違ったっピ。

誰にも公平に優しくて、慈悲深い仏の心で接するんだっピ。

あー、風太ちゃんはまるで生き仏だっピ。

僕は負けを認めたっピ。

風太ちゃんには勝てない。

ゆるやかの看板犬としての役割は風太ちゃんに譲ろう。

風太ちゃんは完璧な子で、そうすることが自然だったっピ。

ある時から、僕の風太ちゃんへのライバル心はこれっぽちもなくなっていたっピ。

むしろ、敬慕の念がピカピカ光耀いていたっピ。

いつしか僕は風太ちゃんを「風太師匠」とお呼びするようになったっピ。

僕は風太師匠のサポート役として、弟子として、

第二の犬人生をスタートさせよう。

そう、決心したっピ。

師匠もまんざらでもない様子で、

面白可笑しそうに僕が働き回るのを眺めていたっピ。

幸福な生活が始まったっピ。

師匠と弟子の幸福な生活。

素晴らしい日々。

僕は毎日満足して過ごしたっピ。

たぶん、風太師匠も。

そんな矢先、

風太師匠が突然倒れたっピ。

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今考えれば、前触れはあったっピ。

健康診断でも著しく数値の悪いところがあったっピ。

甲状腺低下症の治療もしていたっピ。

胃腸が弱くて、ほんの少しずつしかご飯を食べられなかったっピ。

よく下痢をしていたっピ。

嘔吐も。

それにしても、それにしても・・・。

急すぎるっピ。

風太師匠は病院で、皆に見守られながら息を引き取ったっピ。

まだ13歳で、これからも20歳くらいまで

僕のお師匠をしてくれると思ったのに。

今でも、風太師匠がいなくなったのは悪い夢のような気がするっピ。

やっと心から尊敬できる師匠を見つけたのに。

僕は今、心細さにきゅーとなって、冷たい風を呼吸しているっピ。

風太師匠、なんで行ってしまったっピ。

僕があんまり不甲斐ないから嫌になったっピか?

風太師匠、あんまり急ぐもんだから、僕は、涙の準備も出来てないっピ。

風太師匠、なんで帰って来てくれないっピ?

虹の橋の向こうってそんなに楽しいところ?

もう帰ってきたくないくらい素敵なところなんだっピね。

僕はもう少しこっちで生きるっピ。

師匠との日々をたまに思い出して、

泣くかもしれないけど、

遠吠えしたりはしないっピ。

そんなことしても師匠には聞こえないから。

僕は師匠に届くように静かに笑うっピ。

師匠と同じ笑い方で笑うっピよ。

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